ヘソで茶をわかす

日本のへそ、諏訪湖畔に住む小市民の日々の記録

燃料も食材も山の恵み Solo Stove(ソロストーブ)で山菜の天ぷら作ってみた

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昨日は先祖の墓参りのために奥山に分け入っていのですが、折角、山に行くのだし、ただお墓の掃除をして帰ってくるのでは面白くありませんので、最近購入したSolo Stove(ソロストーブ)の使い勝手を確かめて来ました。

Solo Stove(ソロストーブ)で青竹の茶碗蒸し作ってみた - ヘソで茶をわかす

今日もその続きです。

実は昨日行った山はタラの木の群生地で、例年、美味しいタラの芽がたくさん取れるのです。

そんなわけで、タラの芽をはじめとした山菜を採取し、これをソロストーブを使ってその場で天ぷらにしてみようと思います。

食材も燃料もどちらも現地調達。山の恵みを最大限に楽しもう!!という企画です。

フキノトウには遅すぎ、タラの芽には早すぎた

お墓参りを終えたら山菜摘み。これが毎年恒例の流れです。

もしかすると、いや、もしかしなくても、こちらがメインのイベントだったりします。

ウキウキしながら下山したのですが、どうも例年と様子が違う。

大きくなったフキノトウ

例年はこの時期になるとフキノトウなんて滅多に見かけないのですが、今年はアチコチに生えていました。

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食べられないことはないけれど、チョッと育ち過ぎた感じです。

折角なのでコレも天ぷらでいただきましょう。出来るだけ小さいものを探して採取しました。

タラの芽は小さすぎる…

大きく育ったフキノトウが沢山見つかったあたりで嫌な予感はしていました。今年は寒かったので山菜の時期が少しずれているのだろうと…

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何て小ささだろう…

小さいだけならまだしも、芽が全く出ていない木がほとんどで、「たくさん採って、お昼ご飯はタラの芽祭りだ!!」って意気込みが一気に消沈しました。

この周辺はコシアブラやウドも自生しているのですが、こちらも全く発見に至らず…

歩き回ってどうにか2つだけ天ぷらに出来そうなタラの芽を採取しました。

山菜(2軍)というか野草も採取

山盛りのタラの芽の天ぷらを食すという当初の目論見も、「ダイエットはどうした!?」という突っ込みのコメントをもらおうという小賢しい計算も、すべては獲らぬ狸の何とかになってしまいました…

いや、それ以上に問題なのはお昼ご飯の食材です。採取したタラの芽とフキノトウでは少なすぎます。

というわけで、タラの芽のようなご馳走級の一軍の山菜は諦め、二軍の山菜、というか野草を採取して、これを天ぷらとすることとしました。

野草の天ぷらには嫌な思い出があるので、できれば避けたいところなのですが、空腹時の食欲は理性に勝るのです。

道草を喰った思い出 - ヘソで茶をわかす

 

で、天ぷら用に採取した山菜&野草がこちら。

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土筆(つくし)、野蒜(のびる)、それからタンポポの花です。

まぁ、一人前の天ぷらですし、タラの芽のフキノトウも少ないとはいえ採取できたので、これだけあれば、まぁ、良いかな。

それから天ぷらには「そば」だろうと思い、生蕎麦も準備してきました。

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2人前ありますが、手持ちのクッカーでは1人前を茹でるのが精いっぱいなので、半分は持ち帰って晩飯に喰います。

Solo Stove(ソロストーブ)で調理開始

食材も調達できたので、いよいよ調理開始です。Solo Stove(ソロストーブ)で火をおこして天ぷらを作ります。また、同時進行でお蕎麦を茹でますが、こちらはガスストーブを使いました。

2回目ともなるとソロストーブの扱いも慣れてきた

直前の茶碗蒸しづくりの際は着火から炎になるまでに結構苦労しましたが、2回目ともなるとだいぶ慣れてきました。

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枯れ枝などを燃料にするわけですが、最初に竹のように縦にさける枯れ枝を折って、バサバサとした繊維に火を付けたり、中が空洞になっているような枝に火を付けると簡単です。

ある程度炎が大きくなったら小枝を追加していきます。

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一度炎になってしまえば、一気に燃え上がります。そして、あっという間に灰になって火が消えてしまいます。ですから、追加投入する小枝をたくさん集めておく必要があります。

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炎がデカすぎて、鍋が置けない…

調子に乗って枯れ枝入れすぎると、火柱が上がります。まぁ、入れすぎといっても大した量じゃないんですけどね。Solo Stove(ソロストーブ)の燃焼効率が良過ぎるんです。

それにしても、焚火って良いですねぇ。枝の燃える匂い、弾ける音、炎の揺らめき。とても落ち着きます。ソロストーブのようなタイプのウッドストーブであれば、焚火台に比べれば周りへの延焼などの心配も小さいですし、安心して火遊びが楽しめます。

山菜&野草の天ぷらを揚げる

炎が落ちついたところで、油をはった鍋を火にかけ、いよいよ天ぷらを揚げていきます。

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ソロストーブ用となったスノピのクッカー、煤ですっかり黒くなってしまいました。

焚火で使う場合は、煤で汚れるのは覚悟しておかないといけませんね。

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さあ、天ぷらです。まずはタンポポの花いってみますか。

道ばたのタンポポとなると、犬の○○などが不安ですが、この山奥なら大丈夫でしょう。一応、ストーブに火を入れる前にざっと洗ってありますしね。

薄めに衣をつけて、油にドボンです。

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チョッと油の温度ぬるかったかな。でも、まぁ、天ぷらにはなりました。

すこし温度を上げるために燃料を追加します。

油の温度確認しつつ、ソロストーブの火の大きさも監視しなければイケナイというのは、なかなか大変です。

Solo Stove(ソロストーブ)は火加減が難しい

さあ、どんどん行きましょう。

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山菜の王、タラの芽。

本当はもう少し大きいやつを山盛りで食べるつもりだったが、結局、コレを含めて2本下採取できませんでした。貴重な1軍の山菜です。慎重に揚げていきます。

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クソ。イマイチだ。火加減が難しい。

天ぷらごときで苦戦するなんて…

天ぷらのポイントとなる油の温度調整が難しい。天ぷらの揚がり具合を気にしていると、ストーブの火が小さくなっていることに気がつかず、ストーブの火を気にすると油の温度が上がり過ぎる…

Solo Stove(ソロストーブ)は小さいため、燃料となる枝を大量には入れておくことが出来ません。そのくせ、燃焼効率が良いため小枝はどんどん燃えていきます。そのため、常に燃料を追加し続けなければ火が消えてしまいます。

ただ湯を沸かすだけとか、とりあえず火が通れば良い焼き物料理などなら問題ないですが、天ぷらのように常に温度調整をしながら調理をするような料理はSolo Stove(ソロストーブ)は相性悪いかもしれませんね。

まぁ、その思い通りにならない感じがまた楽しいんですけどね。これがアウトドアの醍醐味のような気もしますし。

揚げ物など火の管理が必要な調理をソロストーブでする場合は、燃料を多めに入れられる大きめのサイズのものにすると楽かもしれませんね。

さて、調理の方ですが、ソロストーブの火の調整に悪戦苦闘しながらも、天ぷらを揚げつづけ、すべての食材が天ぷらとなりました。

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こうしてアミに並べ、余計な油を落します。

正直、不満です。60点くらいの出来でしょうか。こんなに天ぷらで苦戦したの初めてです。

天ぷら調理と同時に蕎麦も作っていました。

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お蕎麦は大量のお湯で茹でるものだそうですので、手持ちのクッカーで最大容積のラージメスティンで茹でます。湯が沸いたようなのでそばを投入しました。

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焦げ付きそうなので、箸で混ぜながら茹でていきます。

この作業をしながら、ストーブに燃料を追加しつつ、天ぷらを揚げていたわけです。

手持ちのクッカーで最大容積といっても、家庭用の鍋に比べればだいぶ小さいものです。あっという間にデンプンが溶けだしドッロドロ。

濃いめの蕎麦湯が飲めそうです。

茹で上がった蕎麦はボウルに移し、水で良く洗ってから皿替わりのラージメスティンの蓋に移します。

ようやく昼食です。もう腹ペコです。

昼食

蕎麦と天ぷらをメスティンの蓋に盛り付け、昼食です。

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こうして盛り付ければ、美味そうなものですが、器はどうにかすれば良かった。

左にあるステンレスのマグカップはそばつゆです。コーヒーではありません。

情緒も何もあったもんじゃありません。青竹で器つくれば良かった。

本物のビール飲みたいところですが、帰りの運転ができなくなりますから、ノンアルコールビールで我慢です。あと、一応ダイエット中なのでトクホです。

それでは、いただきます!!

タンポポの天ぷら

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まずはタンポポの天ぷらいってみましょう。

そばつゆをつけていだだきます。

春の味っていうんですかね、山菜独特の苦みってありますよね。基本的にはそういう系統の味。食べるとフワッと甘い香りが広がるのがポイントです。

非常に美味しい。もっと獲ればよかった。

採取する場所や時期によって味も変わるのでしょう。私が数年前にやむを得ず喰っていたタンポポはこんなに美味しくは無かった。飢餓状態の私ですらそれですから、あまり期待していなかったのですが、このタンポポは美味い。完全に別物でした。

来年以降の山菜摘みではタンポポもレギュラー入りさせましょう。一軍昇格おめでとう。

フキノトウの天ぷら

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続いてフキノトウ。

小さいのを選びはしましたが、やはり育ち過ぎでしたね。チョッと苦味が気になります。しかしまぁ、それでも流石は一軍食材。ピークが過ぎ、かつてのような華やかさは失ったとはいえ、良い仕事します。美味いです。

土筆(つくし)の天ぷら

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土筆(つくし)です。

えぇ~っと。特に感想はないです。衣と蕎麦つゆが美味かったです。

天ぷら関係ないですが、昔のアイドルによると、つくしの子が恥ずかしそうに顔を出したら春が近いそうですが、暖かい地方ではそういうものなのですか?

信州ではいっせいに草木が芽生え、花が咲き、春はある日突然やってくるような感じなのですが、暖かいところではそういうスローペースの春を楽しめるんですかね。羨ましいです。

野蒜(ノビル)の天ぷら

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野蒜(ノビル)です。

ネギの仲間です。ねんびろなんていう場合もありますよね。

油に入れたときから、食欲を刺激するいい匂いがしていました。これに関しては天つゆではなく、塩ふって食べるのが正解だったと思います。っが、準備していないので天つゆでいただきます。

想像通りの味です。強烈。非常に美味い。思わずビール(ノンアル)に手が伸びます。

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美味い。本物だったら、もっと美味かったろう。

もういっそのこと、次は運転の心配しないでよいように、テントもってくるかな。

部屋のどこかにモンベルのムーンライトがあるはずなんだ。どこにしまったか忘れたけど。

タラの芽の天ぷら

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いよいよ真打登場。タラの芽。

やっぱり美味しい。これも天つゆじゃなくて塩だったかな。

小さいけれど味はシッカリとしていて、春の山菜らしいほのかな苦みがたまらない。

もし、いくら喰っても、何を喰っても太らない体だったらず~っとでもコイツを喰っていたい。

信州蕎麦

次、お蕎麦いってみましょう。

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前日に西友で値引きされていたお蕎麦ですが、結構いけます。

皆さんは山葵は使う派ですか、使わない派ですか?

私は蕎麦つゆにではなく、蕎麦に直接山葵を少量付けて頂く派です。こうすれば山葵あり、山葵なし両方楽しめます。

山葵とともに、有る無しで味に大きく影響するのが七味唐辛子です。

もちろん持ってきました。

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信州で七味と言えばコレ。八幡屋磯五郎。知らない?

他の七味と比べると少し高いけれど、もう、味が全然違います。

お蕎麦やお豆腐など味のサッパリしたものと一緒に使って味を比べてみると、その差に驚きます。いや、「差」じゃないな。明らかに別物だから。

前回うどんを作った際にはこいつを忘れて悔しい思いしましたが、今回は抜かりありません。

山葵や七味で味を変え最後まで違った味を楽しむ。蕎麦って、日本人のこだわりとか、喰い物に対する執着とかが凝縮されたような料理ですよね。

そんな蕎麦の締めと言えば、以前はてなブックマークのホットエントリーで議論を巻き起こしたアレです。

蕎麦湯

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メスティンにたまったドロドロの蕎麦の茹で汁。

捨てずにとっておいてあります。というか、やがて自然に還るとは言え、こんなドロッドロのものをやたらと捨てていくわけにもいきません。

再度火にかけて温め、麺つゆの入った器に注ぎます。

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測ったようにちょうど全部入りました。

これが美味い。なんだか、ホッとします。

自然の中で食べる昼食。最高でした。

Solo  Stove(ソロストーブ)料理の反省と感想

まず、Solo Stove(ソロストーブ)楽し過ぎる。

私、完全にハマりました。もともと焚火が好きだったのですが、ソロストーブなら手軽に焚火が楽しめるところが良いです。

そして驚きの燃焼効率。ドンドン燃える。

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調理後に確認すると、灰がたったこれだけ残っていただけでした。

もちろん、その効率の良さゆえに燃料追加が忙しいなど大変な面もありますが、そんな思い通りにならないところも含めてアウトドアの楽しさだと思うのです。

それから、このアイテムは使いながら育てていけそうな気がします。

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使用後のSolo Stove(ソロストーブ)です。

何とも言えない良い色になったでしょ?

「使うごとに味が出てくる」そんなタイプのアウトドアグッズのような気がします。

 

次、反省点。

何度か書いた通り、燃焼効率がとても良いので、燃料をドンドン追加しないと、あっという間にすべてが灰になってしまいます。

料理しながら小枝をくべていくってのは結構忙しいです。特に今回のように火加減がポイントになるような料理の場合。

この辺を考慮せずに天ぷらなんぞ始めてしまったのは大いに反省すべき点です。

Solo Stove(ソロストーブ)にはCampfireという容積の大きいタイプもあるので、こちらの購入も検討しようかと思います。薪を沢山入れられれば、その分だけ燃料追加の作業数は少なく出来そうですから。

それから燃料の投入口の狭さもやはり気にはなります。許容範囲ではありますが、何かいい方法がないか考えたいところです。

 

いやぁ、それにしても楽しい。久しぶりに良いもの買いました。

では、また。