ヘソで茶をわかす

日本のへそ、諏訪湖畔に住む小市民の日々の記録

石を祀らずにはいられなくなる奇病でもあるのだろうか? 茅野駅近くの大岩の以外にも似たような石があった

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茅野駅近くにある謎の巨石

少し前だが、茅野駅前にある石が面白いとツイッター界隈で話題になっていた。

 「へぇ、茅野にこんなもんあるんだ」と地元民ながらチョッと興味を持ったのだが、あれよあれよとこの話題が大きな広がりを見せ、Yahooニュースでも取り扱われた。

それもあってか観光ガイドをしているとこの石について聞かれることが数回あった。
「これは一度しっかりと確認しておいた方が良いな。」と思い、今日、茅野駅付近のお客様のところに行くついでで確認してきました。

それが、これ。

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丸く、大きな岩。なかなかの風格。しめ縄のせいか、神々しさを身にまとっている。
直ぐ隣に建っている案内に目を移す。

そう、この案内に書かれている、というか、書かれていないこの石の伝説が問題だ。

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この石のいわれ
平成22年2月、茅野駅西口(駅前)土地区画整理事業工事中、弥生通りの地下3メートルの地点から思いもよらぬ巨大な球状岩石が出土した。工事の障害物として破壊、除去しようとしたが、丸い巨石であることに気づき、慎重に掘り出した。
古来、私たちの祖先は磐座(いわくら)信仰をし、地上に鎮座する大石に神の降臨を意識してきた。悠久の時を経た巨大岩石が突然地上に出現したことは、単なる偶然とは思えない。
我々を守る神の磐座であると信じ、シンボルとして、駅前縄文公園隣接に永久保存することとした。

本当だwww
ホントにただの石だよwww
いや、今はご神体か。しかし、もとはただの石。
なんの伝承もない。

似たような石が他にもあった

さて、本来なら、これで今日の投稿は終わりのはずだった。
だが、この案内を読んだ時に何かを思い出した。

「知っている… 僕は似たような石を知っている…」

記憶を整理する。石の前で悩みこむ姿ははたから見たら危ない人だっただろう。
悩んで悩んで、そして思い出した。同じ茅野市内に似たような石が確かにあった。
「記憶通りならあそこだ。」っということで事務所に帰る前に寄ってきました。

国道20号線、ラーメン屋と100円ショップの駐車場の奥。
小さな社がある。

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姫石神社というらしい。中に姫石と呼ばれる石が祀られている。

格子がガラス張りで中が確認しづらいのだが石が祀られていることは確認できた。

特段変わった感じはしない普通の石だった。

そして横にあった石のいわれを読むと、

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「姫石さま」の由来

古来より人々は石や木、山を神の宿り給う聖なる座として崇拝せり。

ここ茅野市宮川南通りは、江戸時代より先祖たちが苦労し開拓した新田なり。昭和58年の秋、たまたま此の地を開発せんと埋立造成をしたる所、偶然にも地中より「姫石さま」出現せり。地主の山三浜家当主はこれを見て吉兆の証と大変喜び、開発の無事完了を機に、ここに此の地の鎮守の霊石として「姫石さま」の祠を建て、人々の繁栄と幸福を祈念し、鎮め祀るものなり。

何が吉兆かしらんが、とりあえず出てきた石を祀ったってことでしょ?

案内が茅野駅の石ともよく似ているなぁ。「昔の人らは石に神様が宿ると言っていたし、きっとこれもそうだよ。だから祀ろうよ。」って。

土地開発とかしているときって、こういう発想になってしまうものなのかもね。

他にもある巨石・奇石信仰 

hesocha.hatenablog.com

 

前に紹介した小袋石(おふくろいし)もその一つに数えられていますが、諏訪には「七石」と言われる大きな石や変わった石があります。

諏訪人は巨石や奇石を見ると祀らずにはいられない奇病でも患っているのでしょうか。そいういDNAでもあるのでしょうか。

それから御柱に象徴される巨木信仰もあり「七木」と言われる大きな木があったりもします。
多分、昔から大きな石や木などに神様が宿ると信じていたのでしょう。
まぁ、考えてみれば大体ご神体なんてものは昔の人が「そうに違いない」と思い込んで神様になったわけで、言い伝えだって後付けのものも結構多いはずです。
それが長い年月をかけて、人々に信じられ、畏れられ、本当に神様になっていったわけです。
さてさて、茅野のこの石は今後どんな神様になっていくのでしょうか。