ヘソで茶をわかす

日本のへそ、諏訪湖畔に住む小市民の日々の記録

初詣の前に確認したい神社参拝の正しい作法

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神社に参拝するときには、標準的な作法があります。これを守らずとも、よほどのことがない限りは咎められることは無いでしょうが、正しい作法でスマートに参拝できると、単純にカッコイイですよね。特に難しいことはありませんので、年始からデキる大人をアピールしてみてはどうでしょうか。

また、その作法と意義を心得ることでより神様や神社に親しみが持てるのではないかと思います。神社の参拝の作法には私たち日本人の日常の作法の源流があることに気がつかされます。

神社に入る

一礼して鳥居をくぐる

神社の参拝は鳥居をくぐり抜けることから始まります。くぐる前には腰を少し折って一礼します。これは他家の玄関であいさつをするのと同じです。

大きな神社の場合は鳥居がいくつもある場合があるが、その都度一礼します。

参道の左右(端)により、外側の足より歩む

参道の真ん中を歩いてはいけません。ここは正中といって、神様の通り道です。

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私たち参拝者は左右どちらかの端に寄りって歩きます。また、最初の1歩は正中から遠い方の足、つまり外側の足から踏み出します

手水舎で手と口を清める

神社に入るときは手水舎で手と口を清めてから入ります。神社によって鳥居の前にあったり、中にあったりします。

それから、あらかじめ謝罪しておきます。撮影の際に三脚を忘れたために、写真の角度が微妙です。見づらいかもしれませんが勘弁してください。そのうちちゃんとしたものに差し替えます。

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左手を清める

参拝の前には手水舎で心身を清めます。軽く一礼してから、右手で柄杓をとり、それに水を汲みます。

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この一杯だけで以下の所作を行いますので、柄杓いっぱいに汲みましょう。

その水を少し左手にかけて洗い流します。

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繰り返しになりますが、一杯の水だけで行うので流す量は加減して下さい。

右手を清める

次に柄杓を左手に持ち替えて、右手に水をかけ、洗い清めます。

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両手を清め終えたら、再度、柄杓を右手に持ち替えます。

左手に水を受けて口を漱ぐ

左の掌に水を少しため、それを口にふくんで漱ぎます。

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このとき、柄杓の水受けに手を付けたり、柄杓に直接口を付けたりしてはいけません。

左手を洗い流す

水をためていた左手に、もう一度水をかけて洗い流します。

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これら手と口を清める一連の動作を一杯の柄杓の水で行います。

柄杓を立てて、柄を洗い流す

最後に柄杓を立てて、残っている水を流して柄の部分を洗います。

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洗ったら伏せて元の位置に戻し、一礼します。

最後に柄を洗い流すまでが作法になっているあたりに、次に使う人に気持ちよく使ってもらおうという昔から続く日本人の心配りの精神が感じられます。

これらの手水の作法は禊ぎを簡略化した行為だと言われています。

参拝(一般参拝)する

賽銭を入れ、鈴を鳴らす

拝殿にあがり、神職に御祓いをしていただく正式参拝ではなく、拝殿の前で行う一般参拝では、まずは賽銭を静かに賽銭箱に投じ、次いで鈴を鳴らします。

ただし、神社によっては鈴が無い場合もありますし、初詣の際などは拝殿が特別仕様になっていたりします。

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諏訪大社本宮の拝殿は既に初詣仕様になっていました。

昔は賽銭の代わりにお米などを供えていたそうですが、今は賽銭を投じるのが通例です。

鈴は神さまと交流するための道具で、涼やかな鈴の音色が私たちと神様を繋いでくれるような気がします。

二拝する

拝礼は二拝二拍手一拝を基本とします。二礼二拍一礼と言われる場合もあります。これは神社本庁の「神社祭式行事作法」によるものです。

腰を約90度(両手を両膝につける姿勢)に折り、二拝します。

二拍手する

まず胸の高さに両手を合わせ、右手を少し下げて、肩幅に両手を開いて2回柏手を打ちます。柏手は神様に敬意を表すための作法とされています。

両手を合わせ、お祈りしましょう。

一拝する

手を下して90度に1回頭を下げ拝礼を終える。最後に軽く一礼する。

二拝二拍手一拝が基本となったのは戦後のことだそうです。ですから古い神社などでは古式の作法を伝えている場合も多いようです。

そんな古式の作法の中でも出雲大社の四拍手などは有名です。

神社を出る

鳥居を出て一礼する

参拝を終えたら、正中(参道の中央)を避けて鳥居まで戻り、鳥居の外から一礼します。

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この際は、腰を90度に折る「拝」ではなく、心静かに会釈する程度で構いません。

 

まとめ

知っている人には当たり前のことなのでしょうが、神社で観光ガイドをしていると参拝方法についてよく質問されたのでまとめてみました。

特に手水舎での作法がよく分からないという人が多いように思います。

手を洗う順番が違ったり、1杯の水で洗いきれずに2杯、3杯と柄杓で水を汲むくらいなら特に問題もないように思いますが、中には口を漱ぐ際に、直接柄杓に口を付けてしまったり、使い終わった柄杓をキレイにして返さなかったりとマナー的にも衛生的にもアウトな例も少なからずありました。

年末年始は多くの方が初詣や御礼参り、2年参りなどで神社に来られますので、みんなが気持ちよく神社で過ごせるように最低限のマナーは守りたいものです。また、季節的にも風邪やインフルエンザが流行りやすい時期です。加えて今シーズンはノロウイルスも猛威を振るっているとのことですので、衛生面からも手水舎での作法には気をつけたいところです。

こんなことを考えていたら、神社の作法からも日本人が伝統的に公衆衛生を気にかけていたことが感じられて、「あ~なるほど。」と一人で感心していました。

 

では、また。