ヘソで茶をわかす

日本のへそ、諏訪湖畔に住む小市民の日々の記録

レールの上を各駅停車で進む鈍行列車の鉄道旅行も案外刺激的で楽しいもの

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お題「好きな乗り物」

「レールの上を行くなんてツマラン!!」と言った人がいたとかいないとか。

ツマラナイですかね? 然したる目的もなく、のんびりぶらぶら電車旅。

私は大好きですけどね。レールの上をゆっくり各駅停車で行く鈍行列車の鉄道旅行。

そんなわけで電車旅の話。

初めての電車旅

私が初めて一人で鉄道旅行をしたのは2歳のときです。全く記憶にありませんが…

当時の私は電車が大好きだったそうです。

初めて貰ったクリスマスプレゼントは乾電池(単二)だった - ヘソで茶をわかす

クリスマスに始めてもらったプレゼントも電車の玩具を動かすための乾電池だったそうです。そのくらい電車好きでした。

そんな電車大好きっ子の2歳児の私は新幹線なる電車の存在を知ることになります。なんでも、新幹線という電車は(東北新幹線)と(東海道新幹線)の二色があり、世界で一番早い電車らしい。そして東京に行けばそれが見られるらしい。

観たい。

2歳の私は家を抜け出し、国鉄の駅の裏手に停まっていた貨物列車に乗り込みました。そしてそのまま貨物列車は動き出し、わたしは東京へ向けて大冒険を開始したのです。

 

…ところが、隣駅で駅員に見つかり、新幹線を見ることなく冒険は終了しました。

今だったら大騒ぎになるような話なのですが、何もなかったかのように、別の貨物列車を牽引する機関車に乗せられて元の駅まで帰ってきたそうです。

 

正直、全く記憶にありません。記憶にはありませんが、この隣駅までの電車旅、間違いなく2歳の私にとっては大冒険だったはずですし、おそらく人格形成に多大な影響をもたらしたと思います。

レールの上だろうが何だろうが、新しい場所へ進むことは誰にとってもワクワクドキドキの大冒険なのです。

東北電車旅 

とんでもないスタートを切った私の電車旅歴ですが、最初以外はいたって普通です。

一番電車旅を頻繁にしたのは学生の頃です。当時暮らしていた仙台から故郷の諏訪に帰省する際に電車を利用しました。

ここで新幹線や特急を使っていたならただの帰省なのでしょうが、私はあえて片道15時間の鈍行列車をチョイス。こうするとただの移動手段が特別な旅へと変わります。

まぁ、お金勿体ないから青春18きっぷを使ってみたってのが始めなんですけどね…

でもこれがやってみると超楽しい。特に仙台から東京までの常磐線の旅が最高でした。

鉄道旅行といえば駅弁

まず、仙台で駅弁を購入するんです。これが楽しい。どれにしようか前日からシュミレーションするのですが、なかなか決まらない。当時は仙台駅って取り扱っている駅弁の数が全国で一番多かったらしいんです。それも有名な美味しい駅弁ばかりで。もうね、ホント、頭から煙出るくらい悩みましたよ。

駅弁の中からという条件というか選択肢の幅が決まっていたわけですが、それでも悩むものです。そしてそれもまた楽しい。

牛タン弁当とハラコ飯、それから牡蠣飯が私の中では三強でした。どれも有名な駅弁で、今でも人気があります。しかし、この3つには弱点もあったのです。

まず牛タン弁当。仙台といえば牛タン。牛タン弁当は何種類かあるのですが、私の好きなのは発熱パックが弁当箱の下に仕込まれているタイプのもの。

これ、暖かくて柔らかい牛タンが食べられるので大人気なのですが、湯気と匂いが凄いんですよね。新幹線などでなら飯時に食べる分にはそんなに目立ちませんが、鈍行列車でとなると… ですからいつも乗客が少なくなった時に食べるようにしていました。

それからハラコメシと牡蠣飯。これも美味い。ただ、どうしても鮮度の問題がある。割とぬる~い室温になりやすい夏の鈍行列車での旅では正直不安がありました。

これ、普段ならコンビニで適当にパンでも買って済ますのでしょうが、「折角の電車旅だし…」と思っているからでしょうか、食事ひとつとってもこだわりたくなるし、楽しくなるのですよね。

旅の醍醐味は出会い

何なんだろうね。あの東北のばあちゃんたちの人懐っこさは。となりのトトロに出てきそうなばあちゃんたちにやたらと声をかけられました。

「あんらぁ、随分とめんこいでねぇの?」向いの席に座った方が、私のカバンについていたキーホルダーを指さして言ってきました。たしからんま1/2のPちゃんとパンダのキーホルダーだったと思います。男がかわいいキャラクターものを身につけているのが珍しかったようです。

何を話していたかは覚えていませんが、ばあちゃんのペースにハマり話し込んだ記憶だけはあります。

そうこうしているうちに、このばあちゃんのお孫さんがキーホルダーに興味を持ったようで、しきりに「可愛いなぁ」と言うので、「じゃぁ、あげるよ。」ということに。

もちろんお孫さんは大喜びではしゃいでいました。ばあちゃんの方は、「あらぁ、いいの。悪いわねぇ。じゃぁ、お返しに…」とおにぎりをくれました。

私の祖母もそうですが、東北の婆さんたちって、常に食料を携帯しているイメージがあります。偏見でしょうか。

二人とは数駅の間楽しく話して別れました。こういう出会いも電車旅ならではです。

気の合う仲間で車の旅行も良いですが、目的の違う者が乗り合う鈍行列車の鉄道旅行だからこそ味わえる楽しさや発見があると思います。

他の移動手段もあったが各駅停車が楽しかった

移動手段として考えれば他にも選択肢はありました。新幹線を使ったって良かったし、当時は松本空港と仙台空港を結ぶ旅客便もありました。

旅客機だと1時間くらいでしたかね。乗客がほとんどいなかったので、スチュワーデスのキレイなお姉さんが付っきりという男の夢を具現化したような旅客便だったのですが、それでも各駅停車の方が私には魅力的でした。

何ごとでもそうだと思いますが、手段として見てしまえばそれまでのものでも、それ自体に目的、楽しみを見出せれば感じ方は随分と変わります

地味だけれど味わい深い電車の旅

誰でも手軽に乗れる各駅停車の鈍行列車。そんな電車でする旅は若い人には地味に見えるかもしれません。

もっと特別な旅をしたい。例えばキャンピングカーで自由に全国をめぐったり、クラウドファンディングで集金して海外に行ったり、そんな誰もしたことのないような旅をしたい。

そんな風に思うことは私にもあります。聞いただけでもワクワクしますし刺激的ですよね。いつかはやってみたいです。

でもね、その前に手軽なところから楽しみを見出したって良いと思うのです。

のんびりと決められたレールの上しか進めない各駅停車の旅だって、実際にやってみれば十分刺激的だし楽しいんですよ。

もし楽しめないというのなら、それは自分の感受性が鈍っているからなのかもしれません。あまり刺激の強い物ばかりに触れると、些細なことに気がつけなくなるものです。

 

ゆっくりのんびりだからこそ見える景色もありますし、出会いもあります。必ず駅につくという安心感があるからこそ、マイペースで旅を楽しむことも出来ます。

あまり力まずに、自然体で楽しんだら良いと思います。きっとそれが一番楽しいですから。

 

では、また。