ヘソで茶をわかす

日本のへそ、諏訪湖畔に住む小市民の日々の記録

【御柱祭・下社木落し坂】男見るなら七年一度 諏訪の木落し坂落し

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早いもので、もう11月も下旬です。そろそろ来年の干支に合わせてサルをデザインした年賀状を作り始めるころでしょうか。

来年は申年。申年というのは諏訪にとっては重要な年です。規模の大きさ、勇壮・豪快なことは比類なく、天下の大祭・奇祭として知られる諏訪大社の御柱祭は7年目毎申・寅年に行います。そう、来年はいよいよ御柱年なのです。

今日はその御柱祭で最も有名で、最大の見せ場である下社の木落しについて書いていきます。

 木落しとは

御柱祭では樅(もみ)の巨木を奥山から切り出し、社の四隅に建てるのですが、その巨木を山から引き出す「山出し祭(御柱年の4月開催)」と引き出した巨木を里で曳行する「里曳き祭(御柱年の5月開催)」を行います。

このうち山出し祭の曳行中に木落坂と呼ばれる急坂で御柱を曳き落とすのが、山出し祭最大の見せ場である木落しです。

男意気に駆られた若者たちが群がりうちまたがった御柱を崖のような木落坂の頂上から、一気に引き落とします。

下社・木落し坂

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木落しは上社・下社の両方の山出しで行われますが、TVなどを通して、一般によく知られているのは下社の木落しです。

 下社の木落し坂は前回の平成22年のお祭りの前に盛土と笹の植栽などの整備が行われました。そのため、前回の木落では、それまで以上に御柱が滑らかな斜面を速いスピードで、キレイに、一気に滑り落ちていきました。

坂に入ることはできませんが、上からその斜度や高さを確認できます。

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 急すぎて、坂の途中が見えません。この坂を奥山から引き出した巨木と、それにまたがる男たちが下まで猛スピードで滑り落ちていくのです。

この坂には雰囲気を味わえるよう御柱が展示されています。

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これです。折角なので乗ってみて、どんな風に坂の下が見えるか確認してみましょう。

って、あれ~。

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危険なので御柱には乗らないで下さい。とのことでした。

しかし、ここまで来て引き下がれません。何とか、柱の上から見える急斜面の様子を知りたい。

そこで、柱のすぐ横で爪先立ちになりながら、カメラを持った手を伸ばし、柱に乗ったら頭があるであろう場所で闇雲に何枚かパシャ、パシャと撮影してみました。

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レールのないジェットコースターの最上部って感じでしょうか。

斜度は45度近くあり、坂の長さは100m。この柱に乗り、木落しに挑む男らはまさに命知らずと言えるでしょう。

傲然たる地響きと共に一気に柱が下るさまは諏訪の男の血が湧き立つシーンではありますが、ん~、何と言いますか、この坂を間近で見てしまうと、臆病風に吹かれてしまうというか、チキンな自分には絶対無理だなと思い知らされます。

木落しの見どころ

もちろん木落しの瞬間、柱が滑り落ちてくるシーンは圧巻です。「男見るなら七年一度 諏訪の木落し坂落し」と唄われてきた勇壮なシーンです。しかし、そのシーンばかりではなく、是非、その前段階の緊張感を含めて全体を楽しんでいただきたいと声を大にして私は訴えたい。

御柱の先頭が坂の上に姿を現すと坂の下を埋め尽くす観衆から歓声がわきあがります。柱の上には御幣やオンべを振る男たちが乗っている。次第に柱の頭部が坂から突き出てくるが、杭につながれた追掛け綱(柱の後部から延びる綱)で下に落ちぬようにしっかりと止められている。

木遣衆が次々に木落しの木遣りをなき、緊張が高まるうちに曳き落としの瞬間がやってきます。名手の木遣り一声、坂の両側へ八の字に開いた曳き綱がピンっと張り、斧の一振りで御柱を支えていた追掛け綱が切られると、柱は頭をグッと下げ、後部を跳ね上げて坂下へ向けて一直線に突っ込んでいきます。

柱の頭部が最初に地面にぶつかると同時に、ほとんどの乗り手は柱から振り落とされる。っが、そこで終わらないのが御柱乗りの男。すぐさま立ち上がり、滑り落ちて行く御柱に再び飛び乗ろうとする。上手く飛び乗れる者もいれば、上手く立ち上がれずに、そのままボールのように転がり落ちる者もいる。中には綱と柱に挟まれそうになるなど、命にかかわるようなアクシデントに見舞われる者もおり、手に汗握る大興奮のドラマが展開されます。

まれに御幣やオンべを片手にキレイに最後まで乗り下る者もおり、当然、拍手喝さいのヒーローとなります。

あぁ、やはり私の文才ではこの興奮は伝えきれない。ここまで書いておいてなんだが、YouTubeに頼ろう。


長野県 諏訪市 下社御柱祭 山出し 木落とし - YouTube

一度、どんな手順で行われるのかを見ておいた方が、実際にご覧いただく際にも、氏子らの緊張感が伝わってきて面白いと思います。

 

まだ、半年先のことなんですけどね。お祭りが近づくと何かと忙しくなりますので、紹介しそびれてもいけないので、チョッと気が早いような気もしますが、少しずつ御柱関連の投稿を増やしていきたいと思います。

 

では、また。