ヘソで茶をわかす

日本のへそ、諏訪湖畔に住む小市民の日々の記録

のぼるのも辛いが、降りるのも怖くてつらい北斗神社

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パズドラってゲームがありますが、あれって日本や世界の神様がキャラクターとして使われてんの?私、よくわからないのですが、仕事柄、中高生と話をすることが多く、ゲーム経由で興味を持ったのでしょうか、素戔嗚(スサノオ)とかについて聞かれたことがあります。「あの神様は諏訪の神様のご先祖さまだよ。」とだいぶザックリとした説明をしたらえらく関心を示し、他に登場している(のかな?)神様についても、あれやこれやと聞いてくるようになりました。
話しているうちに「古事記」の話になるわけですが、もうそのタイトルから小難しそうと敬遠している人も多いと思います。当然、中高生らも聞いたことはあるけど、「古事記」自体には全く興味なんてなかったそうです。でも、ゲームに出てくる神様らの物語だと知ると食いつく食いつく。
日本の神様って個性的だし、神様の癖に人間味にあふれているし、チョッと困った奴らだし、読んでみれば古事記って面白いものです。中高生向けにちょっと砕いて話したこともあってスサノオのエピソードやイザナミイザナギ夫婦の話なんかは面白がって聞いていました。それから人気?というか、受けが良かった神様がアメノミナカヌシ。
チョッと前段が長くなりましたが、今日はこの神様とその神様を祀るお社について。

照れ屋?の天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)

天地初めてひらけし時、高天の原に成れる神の名は、天之御中主神、次に高御産巣日神神産巣日神、この三柱の神は、みな独り神と成りまして、身を隠したまひき

古事記」上巻より

この神様は天地開闢の神話で宇宙に最初に姿を現し、高天原(神様の世界)の主宰神となった神様で、その名が表すように宇宙の真ん中にあって支配する神で、日本神話の神々の筆頭なわけです。そんな神様が、現れたと思ったら、次の瞬間には姿を隠すんです。もう、このくだりで生徒ら「なんで~!? まだ何にもしてないよ。いきなり隠れんなwww」って大笑い。私も初めて読んだ時の反応は似たようなもんでした。謎すぎます。この神様。

このあたりは個人的にはこんな風に解釈しています。数学の関数で座標ってありますが、「世界の中心=座標軸の中心=原点=0ってことなのかな、だから世界ができた瞬間に姿が消えたのかな、当時の日本人の数学的センスってすげぇな」っと思っています。まぁ、勝手な想像です。

ともかく、エライ神様なのに直ぐに姿を隠したために庶民の信仰にも顔を出さなかった。そのため平安時代につくられた、延喜式神名帳(芸能人名鑑的なものはこのころにもあったんだねぇ)にも、この神さまを祀る神社が見当たらないらしいです。

しかし、近世になると仏教系の妙見信仰と深い関係を持つようになり、庶民の信仰レベルに降りてきたそうです。そもそも、「天の中心の一番偉い神様」という性格は北斗信仰、北極星信仰などがもとになっていると考えられます。これが北極星や北斗七星を崇める北信妙見信仰と結びついたとか。(すいません。このへん実はよく理解してません。)俗に「妙見さん」と呼ばれる妙見菩薩北極星を神格化したものですが、天空のはるか先にお隠れになられたアメノミナカヌシ神はこの妙見菩薩と同一視されるようになったわけです。

さて、ようやく、その神様を祀るお社についてです。

いろんな意味で震える… 階段の先に有るのが北斗神社だ

諏訪にも妙見さんを祀る社があります。小さいですが。

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諏訪大社上社から少し茅野市方向に向かった所に長い階段があります。下から見上げると尚更その長さを感じられます。この階段を一番上まで登っていくと小さな社があります。それが北斗神社です。

これだけの長さです。本来、それだけでもつらい。それに加えて、階段の幅や斜度がマチマチで、それが余計に参拝者の足腰にダメージを与える。

登りきるころには脚が悲鳴を上げている。動くのをやめると太ももがプルプルと震える。運動不足を否応なく感じる瞬間だ。そしてのぼってきた階段を振り返る。そこでまた別の震えに襲われる。急すぎる。ふらつく足元も相まって、下界に吸い込まれそうな感覚になる。

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何段あったのだろうか。一応、数えてみると200段だったが、これだけの数になると途中で数え間違えているかもしれない。息切れして酸欠気味だったしな。まぁ、1,2段の違いはお愛嬌ということで。
そして正面には目的のお社「北斗神社」。正直、小さいし、なにやら鉄格子があって場違いな気がする。パッと見は微妙だ。だが、中をのぞくと、これがなかなか。これだけのものであれば、このくらい厳重に守らないとね。最近は仏像が盗まれるなんて事件もあちこちで起きているし。

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妙見さんは長寿の神様だそうだ。つまりは命を司る神様。そのため戦時中、ここで、子や夫の無事を祈願してお百度参りをする女性がいたという話を聞いたことがある。って、ウソだろ!? ここでか!? 本当にここでか!?
私なんぞは2回目に行く元気もないですが… あくまで「聞いた話」なので事実か否かわかりませんが、このへんの話に詳しい地元の方がいたら是非話を聞いてみたいです。
ただ、この話の真偽にかかわらず、こんな話があるのもこのお社が地元から大切にされてきた証拠だと思います。あんなにも辺鄙なところにあるにもかかわらず、よく整備されています。きっと昔からそうなのでしょう。何気ない風景の中に脈々と続く人の営みを感じられます。
 
 
それにしても、下りが怖いです。