ヘソで茶をわかす

日本のへそ、諏訪湖畔に住む小市民の日々の記録

白票などの無効票を投じるのは本当に無意味なことなのか

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選挙となると毎回話題に上っているような気がするが、今回も「白票」の是非についてツイッターなどのSNSで少し議論になっていました。

衆院選ではいつものことなのですが、今回はいつもにもまして積極的に投票したいという候補者がいないため、「白票もありかな…」などと思っていたこともあり興味深く各エントリーとそこに付いたコメントを読んでいました。

読んでみた結果、何らかの結論に至ったとか言うわけでもなく、むしろ前にもましてどのような投票行動が望ましいものなのか分からなくなってしまったわけですが、今思っていることを取り敢えず書き出してみれば、多少考えも整理できるだろうか、考えをひとに晒し、コメントでも頂ければ新しい知見を得られるだろうかと思い、こうして記事にしてみました。

与党支持者だけれど全面的支持ではない

話がややこしくならないようにどうして悩んでいるのか予め書いておきます。

私は現政権の支持者です。とは言え、もちろん不満に思う点もありますし、信者と揶揄されるような偏狭的な支持者ではありません(ちなみに衆院選の小選挙区で与党候補に投票したのは09年と12年の選挙の2回だけです)。だからこそ今回の投票先について悩んでいるわけです。

悩んでいる主たる原因は消費増税に関する与党のスタンス。同じように悩んでいる人も多いのではないかと思うのですが、どうでしょう。

「これまでにも公約を翻して増税凍結をしているので、今回も凍結する。」「増税の予定日前に参院選があるから、そこで凍結される。」などと政権寄りの評論家などが言ってはいますが、たしかにそうかも知れないと思いつつも、それは希望的観測と言うやつではないのかとも思うわけです。

仮に百万歩ほど譲って、こういった希望的観測が正しく、総理も内心では凍結を望んでいるとしても、だったら党内にいわゆる増税派といわれるやつが増えることは望ましいことなのかどうなのか…?

地元の与党候補者が元大蔵官僚なんですよね… どうしたものか…

 

というわけで、投票先について悩み、「白票などの無効票も選択肢か?」「今のこのモヤモヤとした気持ちを表明できる投票行動はあるのか?」と考えを巡らせながらさまざまなエントリを読んでみたというわけです。

ただ、いくつか読んではみたものの、白票を投じようという人の多くは「選挙自体に不信任突きつけようぜ」的なスネた印象がありますし、それに反対する人は政治的なスタンスが反政権の方が多く、「それは政権が利するだけだ」という「白票の是非」自体ではなく選挙に関する思惑からの意見ばかりで、期待した議論とはちょっと違っていました。

このことも記事を書こうと思った理由です。政権支持層にだって白票を投じようかと悩んでいる者がいるんだぞと。

白票よりも記名投票にしたいとは思うが…

白票を投じようとする心理に、「投票を棄権するくらいならどの候補者も支持する気になれないという気持ちを、白票に込めて投票しよう。幾ばくかでも政治にプレッシャーをかけていこう」というような心理があるように思います。

私も多少このように思うとことがありますし、棄権するよりはずっとマシですから、その発想自体は自然なことだと思うのです。

ですが、あまり意味のあることだとも思いません。

全くの無意味だと言い切るだけの自信はありませんが、この行為が社会に影響をあたえるようなことはないでしょう。どんな意思を込めて投票しようと白票では無効票として扱われるため、棄権と同様、候補者の当落には一切関係がないのですから。

白票の多さを候補者がプレッシャーに感じてくれるというのも幻想です。そもそも、それをプレッシャに感じてくれるような繊細な精神の持ち主が候補者に居るのであれば、その人に賭けてみようと思えるはずです。

だから本来、選挙での意思表明は候補者への投票によって行われるべきなのです。

白票に反対する方々も概ねこのような考え方ですよね。私もそのとおりだと思いますし、頭ではわかっているのですよ。本当に。

でもね。この意見を振りかざす人は私みたいな層の悩みを根本的に分かっていないか、分かっていて自己の政治的主張のために目を瞑っていると思うんですよね。それは、

 

与党以上に野党になんて投票したくないんだよ!!

 

ということ。

民進党の希望の党への合流騒ぎ

「問題があろうともよりベターな選択をすべきだ。」そう言われたら与党に投票するしかないという有権者がたくさんいることが分かっていない。

「与党の政策に不満がある=野党を支持できる」という構図にはならないことを理解していない。

ちょっと前にこういう記事が話題になっていました。

www.tm2501.com

まさかこの人の主張に共感する日が来るとは思いもしなかった。

民進党のまま選挙戦に突入したのなら、ここまでの嫌悪感を抱かずに済んだかもしれないけれど、あのドタバタ劇見せられたらねぇ…

SNSなどには「実は民主党政権ってそんなに悪くなかったんだぜ」的な話をいろいろな数字を示して教えてくれる人がいて、それを読むと、「あぁ、たしかにそういう面もあるかもなぁ。」と思いもしましたが、いやぁ、あれ、全部思い違いとか気の迷いの類だったわ。

民主党政権が良い政権? ウソウソ。

あの出鱈目な希望の党への合流騒ぎを見ただろ?

挙句の果てに選挙後に民進党へ再合流なんて話も出てきている。

理念も政策もあったものではない。あんな醜態を晒すような連中が運営した政権が良い政権だったわけがないではないか。

そんなわけで多くの民進党議員が合流した希望は除外。

終盤にきて、「戦略的投票」というやつの効果なのか、一般的にリベラルと言われている層の受け皿として支持を伸ばしている立憲民進党については、正直なところ、理念には共感するところがあって期待できそうな気はしています。いますが… 党執行部のメンツを見た瞬間に顔が引きつりました。

よくよく考えると、希望に入らなかった、スジを通したという体ではいるものの、実際には入ろうとしたけれど追い出されただけですしね…

候補者を大幅に新人と入れ替えてくれていたら投票していたと思います。

第三極がまともだったなら…

安倍政権の経済政策について、「これでは足りない、もっと加速させろ」という主張から希望や維新に期待する与党支持者というのは選挙戦前にはそれなりにいたのではないかと思うのですが、今はどうなんでしょうねぇ…

希望は合流騒ぎでの悪印象に加えて小池さんのいい加減さから急激に支持を失っているようですから、今回に限らず、今後も党勢を拡大することはなさそうですし、そんな希望の当初の人気に乗ろうと選挙協力(不可侵条約でしたっけ?)をした維新も信用に足るかどうか。千葉からも随分とユニークな候補者を立てていましたしねぇ…

 

結局のところ、白票を止めようにも不満を託すに値する政党が見当たらないわけです。

白票を投じることは無責任という考え方

私達の一票の積み重ねで未来が決まっていくのだから、私達の投票行動は未来に生きる子供に責任を持たなければならず、絶対に無駄にはできない。棄権や白票の投票はその責任の放棄であり無責任だ!!

みたいな論をたまに見かけます。

私はどうにもこの考え方が良くわからない。

悩みに悩み抜いて、「もう私には判断しかねるから、あとは皆さんの決定に従います。」っていうんじゃダメなのか?

雰囲気に流されて「よくわかんないけど、こっちで。」って方が余程無責任じゃない?

イギリスのEU離脱の騒ぎのときも、国民投票のあとで「こんなはずでは…」みたいなこと言っている人結構いましたよね。

日本にも同じような例はあります。都知事選も今となってはそんな感じですよね。

ファンタジスタ石原伸晃の伝説 - ヘソで茶をわかす

開票が始まった時に投稿したものなので、記事自体もコメントも当時の世論が分かりますが、右も左もガチガチの支持者以外は「あれに知事やられるくらいなら、この人で」ってことで小池さんに風が吹いたことがわかります。

私も都民だったら小池さんに投票したんじゃないかな。そして今頃きっと後悔をしていると思います。

「ここまでヒドいなんて思わないじゃん。」なんて言ったって後の祭り…

そう思うと軽々しく候補名を書いて投票して良いのかと恐ろしくもなるのです。

 

候補者がコロコロ変わりすぎて良くわからない

ここまで小難しいことを悩んできましたが、それ以前の問題も存在します。

候補者が誰なのか分からない

うちの選挙区でも希望の党の立候補者がいるのですが、ついに選挙戦最終盤まで名前を憶えられませんでした。一応確認してきましたが、寺島さんと言うそうです。

この方、地元には縁のない方で、羽田孜元総理の秘書をされていたそうです。その後、2012年の衆院選でお隣の長野3区から民主党の候補として出馬し当選しています。さすがは羽田王国と言われた長野3区です。民主党に強烈な逆風が吹くなかでの当選です。

で、そんな方が何故ここから出馬なのかということになりますが、これがちょっとややこしい。

続く2014年の衆院選挙でこの方は負けてしまいます。そして比例復活もできずに落選。ここまでなら良いのですが、このあとに困ったことが起こります。

この選挙、勝ったのはみんなの党から維新の党に移籍した井出庸生さん。維新の党ってのは今の維新の会ではなく、みんなの党から分かれた結いの党が合流していた頃の維新。この維新の党、選挙後に分裂し、結いの党の勢力は民主党に合流しました。

つまり、長野3区には2名の民主党候補がいる状態になってしまった。当初は寺島さんは長野3区からの出馬を予定していたそうですが、希望の党の選挙区調整の結果、これまでの民進党議員が引退して、候補者不在となった4区に押し出されるようにやって来たというわけ(これ、候補者逆だったら両方勝てたような気もするけどな…)。気の毒というほかない。

結構こういう選挙区多いんじゃないかな。政党の離合集散で振り回され、誰がどの党から出るやら。

こんな状態で責任持って誰かに投票しろと言われてもねぇ…

 

今の小選挙区制って息苦しくない?

体験したことがないのだけれど、以前の中選挙区制だったら、もう少し候補者選びやすかったんじゃないかね?

中選挙区じゃなくても良いや、なんか他にないものなのかね?

今の小選挙区制って、余裕がないと言うか、どこか脅迫されているような感じしない?

なんでこんなクソみたいなメニューから一品選ばなきゃならんの?

こんな選挙制度でなければどちらかが大勝ちするようなこともないだろうと思うし、いろいろな主義主張の人が国会に存在し得ると思うですよね。

 

 

 

まぁ、長々と書いたけれど、要するに応援したくなる候補者がいなくて困ったぞっていう愚痴でした。

ホント、今回は野党候補誰になるのかと期待してたんですよ。引退した候補が問題のある人だったので余計に。

 

はぁ… どうすっかな…

 

投票には行きます。必ず行きます。

ただ、何処に投票するか、誰に投票するのかが未だ決められない。

書いているうちに多少は考えがまとまるかとも思ったけれど、ダメだね。

ギリギリまで考えて、投票してきますが、最悪の場合は白票です。

色々書きながら考えましたが、やっぱり白票では選挙に影響はないでしょう。ひどく無駄なことで自己満足です。その悔しさを噛み締めながら投票してきます。

 

では、また。